十一月にふる雨
11月に入り、ふと
「十一月にふる雨」という男声合唱曲を思い出した。
昔、歌った(口ずさんだ?)ことがあるからです。
合唱界で知らない人はいない”タダタケ”こと
作曲家多田武彦さんの男声合唱組曲に「雨」という作品があります。
これは
「雨の来る前」(詩:伊藤整)
「武蔵野の雨」(詩:大木惇夫)
「雨の遊動円木」(詩:大木惇夫)
「雨 雨」(詩:尾形亀之助)
「雨の日に見る」(詩:大木惇夫)
そして前にこのブログに書いた「雨」(詩:八木重吉)
の全6曲で構成されています。
この4番目の「雨 雨」という曲、
ここには当初は堀口大学さんの詩に曲をつけた「十一月にふる雨」
という曲が入っていたのですが
事情があって差し替えられたとのことです。
その詩はこうです。
「十一月はうら悲し
世界を濡らし雨が降る
十一月に降る雨は
暁来れどなおやまず
初冬の皮膚に降る雨の
真実冷たい悲しさよ
されば木の葉も堪えもせで
鶫(つぐみ)、鶉(うずら)も身震いす
十一月に降る雨は
夕暮れ来れどなおやまず・・・・」
この後に続く歌詞の一部に
今の社会では適切とは言えない言葉が用いられていたことから
差し替えられたそうです。
どういう訳か差し替えられる前のその曲を覚えていました。
冷たさ、悲哀を表現した詩にぴったりの哀しいメロディ。
いい曲です。
だから思い出したんです。
ちなみに練習ではありますが
その多田武彦さんの指揮で歌を歌ったことがあります。
どうでもいい話です。